縦に格子の入った連子窓(れんじまど)やなまこ塀をあおぎ見て、まるで時代劇に迷い込んだような気がする。その昔、和歌山市堀止あたりには紀州55万5千石に仕えた藩士たちの屋敷が立ち並んでいて、今も1軒残っている。正面に門を構え、客用玄関と通用口を分けた造りは武家の権威を象徴するかのよう。門の左右には、「馬乗石」「馬つなぎ石」の名残をとどめる大きな石が残っている。
 ここで実際に武士が生活をしていたのかと思うと、めくるめくような錯覚に襲われ、一瞬江戸時代へトリップしてしまうだろう。

 

 

 


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